ヒュッケルの分子軌道法。この言葉は小生にとって大変懐かしい言葉です。初めて耳にした学生時代、「ヒュッケル」と言う音声にしゃっくりの様な、何か面白みと親しみを感じ、また、量子力学のややこしい計算にうんざりしていたわが身にとって、大変簡単な計算でブタジエンのπ電子エネルギーがいとも容易に算出できると言う驚き、このダブルの印象が強く焼きついたものでした。
さて、時は流れ去り、最近、Mathematicaを手に入れ、いろいろな計算をやらせては遊んでいたあるとき、ふとヒュッケルの分子軌道計算をMathematicaでやらせたら。。。。という気になりました。そういえば、昔、ベンゼンの計算をやろうと永年行列式を書いたが、xの6次方程式の前に退却を余儀なくさせられたなぁ(笑い)、、、という悔しい思い出を思い出し、Mathematicaならそのリベンジを図れるのではと、ちょっと計算させると、あっさりとエネルギー準位をはじきだしてくれました。オオ〜という感じで、それからはまり込むことに。。。
ここに載せたプログラムで計算した分子は次の通りで、それぞれ以下の値を計算します。
●π電子のエネルギー準位
●それに対応する分子軌道関数(ψ=c1χ1+c2χ2+・・・+cnχn)
●各分子軌道関数の視覚化(係数ciを半径とするDiskで描画、位相は赤と青で表現)
尚、プログラムの使い方はを参照してください。
1.エネルギー縮退のない分子
ブタジエン アリルラジカル ビシクロブタジエン ビシクロヘキサジエン スチレン ナフタレン
アズレン シクロヘキサトリエン
2.エネルギー縮退のある分子
シクロブタジエン シクロプロペニルラジカル ベンゼン シクロペンタジエン
3.ヘテロ原子を含むπ電子系
ホルムアルデヒド 塩化ビニル アクリルアルデヒド ホルムアミド アセチルイミン
アザシクロブタジエン ピロール ピリジン テトラシアノエチレン アザシクロブタジエン
アクロレイン アニリン